カクテルとは何か?毎日カクテルを作っていてふとそう思った。
今では「お酒+何か」が当たり前になっていて、よりお酒を美味しく、美しく飲む為にカクテルが作られている。
昔はどうだったのか?遡ること西暦395年、古代ローマや古代ギリシャの時代。当時のアルコール飲料(ワインやビール)の質は今よりも低く、その味を改善する手段のひとつとして水や蜂蜜、サフランを混ぜていたと言われている。
今では主流である氷を用いた「コールド・ドリンク」が登場するのは19世紀末の事、割と最近の話である。それまでは氷が貴重な物だった。1876年にカール・フォン・リンデが製氷機を開発した事によって一年を通していつでも氷を入手できるようになった。これにより今では主流のカクテル「マティーニ」や「マンハッタン」といった新しいジャンルのレシピが発案されていったのだ。それらのカクテルはアメリカで生まれたものであったが、第一次世界大戦と禁酒法により職を失ったバーテンダーがヨーロッパへ移っていったことによって、全世界に広がったのである。
そうして今、私たちもその「歴史」を受け継いでカクテルを作っている。沢山の方々が残してきたスタンダードカクテルは何万種類もあり、それが人々の日常を非日常に変えている。これからもより新しい味を求めてカクテルの進化に携わりたいと思った。
川崎店 住谷 拓海