OwnWayの佐藤です。
高校野球の地方大会が各地で開幕してきましたね!
3年生にとっては高校生活最後の大会。勝っても負けても、悔いの無いよう力を出し切ってもらいたいです。
ところで皆さん、ポジションと聞いて何を想像しますか?
改めて調べてみると「場所」「位置」「地位」等、ポジションには様々な解釈があります。そして組織社会において、ポジションにはそれぞれ役割がつきものです。
今回は少しだけ、私が高校時代経験した野球部(場所)キャッチャー(位置)主将(地位)というポジションの話をさせて頂きます。
野球というスポーツにおいて、キャッチャー(捕手)とは、文字通りピッチャーが投げる球を捕る選手です。
たまにランナーが走った(盗塁)時やバッターが打った球をベース目掛けて投げることもあります。
「えっ...それだけ⁉︎」とお思いでしょうが、基本的な動作はこんなものです。
ではなぜキャッチャーは「扇の要(おうぎのかなめ)」や「グラウンドにおける監督」と言われるのでしょうか。
キャッチャーはただ一人だけファウルグラウンドで守り、他の選手と逆の方向を見てプレーしています。
守っている時は全てのサインを出し、試合を動かす。相手バッターの特徴、相手監督の采配を予測し、守備位置を指示したり、ピッチャーの気分や調子で投げる球を決める。
「扇の要」とは「扇子の根本にある軸」を指しており、「物事の大事な部分」という意味を持っています。
そう言った意味では、キャッチャーが主将を務める事は理にかなっていると言えるでしょう。(プロの世界でも名将と呼ばれる監督はキャッチャー出身が多い気がします)
勝負の世界では一つのサインで勝敗が決してしまうこともあります。
当然ながら、サイン(指示)を出すということは、結果に対して責任を負うことにもなります。
「ピッチャーが打たれたのはキャッチャーのせい」
「守備陣形が崩れたのはキャッチャーのせい」
「試合に負けたのはお前のせいだ」
時に自分の指示や指導に自信を無くし、味方であるはずのチームメイトが全員敵に見え、監督と対立し、一瞬にして孤立します。
「なんで言ったことをやらないんだ!」「もっと真面目にやれよ!」「俺は悪くない!」言えば言うほどチームメイトは遠ざかります。
ではなぜキャッチャーで主将というポジションになったのか。
それは、要(自分)を軸として開いた扇(チームメイト)の強さや美しさを知ってもらいたかったのだと思います。
目が行くのは扇であり、風を起こすのも扇。
手で握るのは要であり、握れば見えなくなります。
柔軟で芯の強い軸を持ち、スポットライトが自分に当たらなくてもいいと覚悟を決めた時、初めて扇子は開くのかもしれません。
野球において1番人気のポジションはピッチャーです。
でももしポジションに悩んでいる子がいたら私はこう言います。
「キャッチャーって楽しいよ」って。