溝の口店をご贔屓下さっている、
中山ルミ子様の声を紹介します。(公開2000/2/1)


一人暮らし。いつも通りにうちに帰る。誰もいない部屋、明かりをつける気力もない。

「モノタリナイナァ....」

それなりに忙しく楽しんで、生活している。でも、どうもパズルのピースがあとひとつ足りない。さて、どうしたものだ....。

そんなときに私が帰る場所が「時代屋」である。バーテンダーは魔法使い。いつも私が望むものを、確実に心を満たすものを作りだし冷えた心を温めてくれる。氷を削る音は、今日の自分を振り返らせ、シェーカーの奏でる音は何が良くて何が悪いかを考えさせてくれ、作り出されたカクテルは、喉ではなく心を潤ましてくれる。お酒は雰囲気次第で味が変わってしまう気まぐれなもの。バーテンダーという仮面をつけた魔法使いは、私自身の雰囲気までも変えてくれるのだ。美味しいお酒を飲みたいだけじゃなく、私はそんな彼らに会いたいのだ。沈んだ私を助けてくれる魔法を持つバーテンダー。そんな彼らがいる場所が時代屋。私の話は何のとりとめもなく、それを聞いてくれるだけでなく、言葉という目に見えないものの代わりに目に見える「カクテル」で答えてくれる。唯一、心が安らげる瞬間を私に与えてくれる楽園....それが私にとっての時代屋なのです。

と、堅苦しいことをいっては見たものの、要は、私はここのお店のバーテンダーさんと、そのバーテンダーさんが私のために作ってくれるカクテルが大好きなんです。今の私があるのは、ここのお店のお陰といっても過言ではないくらいです。お酒も天下一品ならば、バーテンダーも天下一品。暇さえあれば、暇が無くとも足を運んでしまうのです。一度、足を踏み入れてみましょう。恐らく、一度じゃすむわけがないでしょう。それも、魔法の一種だと私は思ってます。
今宵も、時代屋に....