牛島剛様の声をご紹介します。
溝の口店をご贔屓いただいております。


時代屋にはじめて入ったのは日曜日、夜の12時を少し回った頃だった。まだ外は風が冷たかったのを覚えている。
その日は、人と待ち合わせの為、溝の口の駅の方へと向かったのだが、連絡が全然入ってこない。
約束の男は、まだ女性と一緒に遊んでいるらしい。僕を待たせたまま...

そんな理由もあって、溝の口駅周辺をぶらついていると、ちょっと薄暗い外灯に照らされ、また大人の雰囲気を醸し出す「BAR」が見えた。その店の存在は、少し前から知っていたのだが、いつも入るのを躊躇していた。僕みたいなやつには似合わないかも知れない...。

「ちょっと覗いてみるか...」

ただ待っているには時間も遅く、たまには1人で飲むかという気持ちがそうさせた。初めての店に入るときはドアが少し重く感じられる、緊張と期待に包まれて。

人は、ちょっとしたタイミングと偶然、行動でその後の生活が変わる。
この日がなければ、僕の生活は、今までより少しつまらない生活になってただろう。

この日飲んだ酒は、アイリッシュウイスキー「ブラックブッシュ」
これだけしか覚えていない。

・・・・・・・・・「いらっしゃいませ!!」
あれから、何回ここに足を運んだのだろうか、どの位経ったのか
記憶は結構いい加減なもので、何年も通っている気がする、気持ちだけは・・・・
いつ見ても此処には素晴らしい酒がたくさん待っている。
僕の大好きなバーテンさん達に囲まれながら
そして大好きなモルトを必ずといって良い程飲むのが幸せだと感じる。

「時代屋」溝の口店 此処では沢山の素晴らしいお酒と人と出逢う事が出来ました
ここに来はじめた頃、ほとんど酒を知らなかった僕は少しずつ少しずついつも前回来たときに飲んでいた酒を覚えていてくれる
「何かありますが・・・?」
こんな訳の分からない注文にも好みを考えしっかりと答えてくれる!!
旨いと思う酒が必ずといって良いほどグラスに注がれるのだ。
カクテルにしても綺麗で、また格好良い仕事をしてくれる。ただ感心するばかりです。まさにこの言葉がぴったりなバーテンの皆さん、お店の空気。

時代屋は、僕にとって大切な場所になりました。
時代屋には、行くという感じではなく本当に帰るという表現が似合う。
僕の中で大事にしたい時間がここにあります。

 

・・・・・・・・・「すみません!遅くなって。お待たせしました!!」
そういって男は携帯を片手に入ってきた。もう午前2時になろうかという時間だ。
その後ろには見知らぬ女性が立っていた。少し眠そうだった。
「さっきまで、彼女とカラオケやっていたんですよ」
女性がペコリとこっちを向いた
「いつもこういうところで飲んでいるんですか?」

いや、今日が初めて何だよね、ここに来たのは。

これが始まりだった・・・・・・・・・・・!