今回、スコットランドに研修旅行をさせて頂き色々な経験をしましたが、その中でも自分の中で印象に残った事を今回はご報告したいと思います。
料理
研修に行く前から、色々な方から
「料理が美味しくない」
「フィッシュ&チップスの衣はモルトビネガーでビチャビチャ」
「ハギスはかなりクセが強い」等、
あまり良い印象ではない事ばかり聞いてましたが、いざ食してみると、場所がエジンバラ周辺の観光地だったせいか、どれも整った優しい味付けで美味しく、ハギスは癖も無くて尚且つコロッケのようなボール状にして衣を付けて揚げているものが好みでした。フィッシュ&チップスに関しては、最早モルトビネガーが出てこない始末で、タルタルソースのような物をディップして食べるスタイルだったので、衣の食感もしっかりしていました。
ただ、どの料理にも基本的にジャガイモが付いてくるので、正直芋には飽きてきます(笑)
全体的に魚介系の注文を多くしましたが、揚げ物が多い印象でだいぶ胃もたれにも悩まされました。
お酒
2日目に南ハイランドにあるデュワーズのキーモルトに当たるアバフェルディ蒸留所、4日目にはロンドンにあるボンベイサファイアを製造しているラバーストーク蒸留所を訪問。
アバフェルディ蒸留所では博物館で歴史の説明やアバフェルディのマザーウォーターに当たるピティリー川を眺めながらのデュワーズ15年の試飲、ウイスキーのブレンド体験まで経験し、かなり貴重な体験を出来たなと思いました。
ラバーストーク蒸留所では、ボンベイサファイアに使用されているボタニカルの説明後に手で触れて香りを確かめたり、蒸留時のボタニカルの香り付けの製法、ヴェイパーインフュージョンの行い方やブレンダーさんが作った新商品のボンベイ・プレミアクリュの試飲、プレミアクリュを使用したカクテル、マティーニやフレンチ75等の試飲を体験しました。その中で新商品のプレミアクリュとの相性の良い副材料等を教えて頂けたのが良い勉強になりました。
夜のBAR巡り
夜のBAR巡りでは、エジンバラ周辺では街中のBAR、ロンドンではホテルBARに何軒か伺いましたが、その中でも印象に残ったのが、街中のBARでは「PANNDA&SONS」、ホテルBARでは「SAVOY American Bar」でした。
PANNDA&SONSでは「サイドカー」、「ギムレット」を、SAVOY American Barでは「シンガポールスリング」、「マンハッタン」を頂きましたが、スタイルは違えどどれも美味しくて、自分で調合する時の参考になるなと思いました。
4日目にロンドンのホテルBAR「Hyatt Regency London – The Churchill」に1月から働き始めた日本人バーテンダーさんにお話を聞かせて貰える機会が設けて頂き、ロンドンのオーダーされるクラシックカクテル事情を教えて頂けたのですが、どうやらギムレットは全然頼まれないそうで、マティーニ自体もウォッカベースが主体、ジンベースのマティーニの場合は「ジンマティーニ」とオーダーするのだそう…
よく出るクラシックカクテルは「ネグローニ」や「ウイスキーサワー」等、甘味がはっきりとしているものが多い他、働き始めて初めて聞いたカクテル名「ネグローニズバイアード」(日本に戻ってから調べたところ、ネグローニズバリアートという名前で出てきます。発音の問題でしょうか⁇)というカクテルを教えて頂きました。「ズバリアート」とは和訳で「間違えた」という意味で、ベースのジンをスパークリングワインと間違えたのが始まりだそうで、それがあまりにも美味しかったという事で出来たカクテルという事でした。
こういった日本と海外の好みの違いも体験出来て面白いなと思いました。
街並み・風景
今回、エジンバラではエジンバラ城、ロンドンではウインザー城を見学させて頂きました。
普段、あまり美術等を触れる機会が少ないので、城の外観や内装・家具から鎧等の装飾品、ステンドグラスetc…全てが新鮮で色々と感動を覚えました。そして城下町も城から観ると、歴史のある建物が所狭しと建ち並んでおり、中世ヨーロッパを彷彿とさせる景色は圧巻です。
最終日にロンドン市内をロンドンバスに乗って周り、出店が密集している場所で食べ歩きをした後に大型のショッピングモールでウインドウショッピングしていました。
ロンドンを象徴するイギリス最大の時計台「ビッグ・ベン」(正式名称はエリザベスタワーですが、一般的にはビッグ・ベンと呼ばれているそう)を見物したり、近くの川沿いを歩いていると大きな観覧車があったりと、少しだけ横浜のみなとみらいを思い出す景色でした(笑)
出店では、通訳の方のオススメのソーセージロールと、キノコのリゾット、ホットワインを飲食しましたがどれも美味しく、量もしっかりしていた為、この3種類で満腹になりました。他にもパエリア等、気になった物もありましたが諦めました(笑)
因みに、新しいロンドンバスのデザインは、ラバーストーク蒸留所をデザインした方と同じデザイナーがデザインしたそうです。
今回の研修旅行ではお酒の事は勿論、蒸留所でお酒を作るにあたって発生したお湯や熱源等の資源を環境に配慮して再活用するというサスティナブルにも取り組んでいるという事が個人的には感銘を受けました。
普段の仕事でもこういった経験を活かしてウイスキーやカクテル等のお酒の提供するという事だけでは無く、どうやれば無駄な物を省けるか常に考えて仕事をしていければなと思いました。そしてこれからもお客様にいつもの同じ物だけでは無く、新しい物も提供して、楽しんでいただけるよう努力していこうと思います。
Reported by 時代屋オールドオーク川崎店 永瀬